今日は、乳腺外科の外来。8時半の予約。
手術後の病理検査の結果を聞く日だ。

妹が仕事を抜けて付き合ってくれるというので、病院のエントランスで待ち合わせ。
この日の私は、朝から少しおかしい。

というか、
このところ、気持ちがさわさわしてなんだか落ち着かない状態が続いていたんだ。
今朝、病院へ来る途中の地下鉄では、人で混んできたら恐怖感に襲われて、途中下車。
息を整えて、気持ちを落ち着かせて乗りなおして、ようやく到着した病院。

そして、病理の結果。
主治医の先生は、やさし~~い声で穏やかに患者を刺激しないように気をつけながら話している感じ。

それって、結果があんまり嬉しくない内容だったからなのか。
それとも、そういう風に説明するのが常なのか。

手術前の話では、
 ・ステージ 2a、または2b
 ・大きさは30mm程度
っていう認識だったんだ。

けど、プリントされた説明資料をみたら、
 ・ステージ 3a
 ・大きさは62mm

は?? ステージ3??
しかも 6センチ??
そんなにデカかったの??

そして、来月からはいよいよ抗がん剤も始まるって、先生の話。
とうとう始まるんだ。これが現実だ。

軽くショックを受けた。
そう、「軽い」ショックだと思ってたんだ。自分では。

そして、
話のあと病院を出て、近くのカフェで妹とちょっとお茶することに。
「軽い」ショック状態で、コーヒーをすする。

あー、なんか話さなきゃ…。
「大きかったね…」と、私。
すると妹「おおきかったねぇ~~~!」って…。
あのね、渡辺謙が、GODZILLA見上げてるんじゃないんだからさー…
なんて、思う。
どうしたらいいのか、妹もわかんないのかな…。 

このアタリまでは、まだ良かったんだ。
っていうか、このアタリまでが限界だったんだ。きっと。
パニック発作の爆発寸前か、爆発しはじめ、か…。
だけど、自分のその状態がなんなのか、自分でよくわかってない。

このヘンな感じ、一体どうすればおさまるの???

妹はその後、「じゃ~ね~」っと言って仕事に戻って行った。
忙しいもんね。そりゃ、帰るよね。もうすること終わったし。
明るく振舞ってくれるのが、一番いいのかもしれないし、ね…。 
ありがとね。

さて、どうしよう、私…。
独りになった私…。
先生の説明、もう少しじっくり資料見てみなくっちゃ。
かばんの中で4つ折りにされたA4用紙が気にかかる。
でも、このまま自分の部屋へ独りで戻りたくない。
誰か人のいるところにいたい。どこでもいい。そうだ、病院に戻ろう。
「お仕事相談会開催のお知らせ」みたいなのが掲示板に出てたから、あの日にち、ちゃんと見てこよう。

病院に到着して、掲示板を確認。

あー、もうすることないや…。
エントランス付近をウロウロ。
ここにいる人たちのほとんどが、みな自分と同じがん患者。大丈夫、独りじゃないよ。

そうだ、上野の東京都美術館でやってる古代エジプト展!
7月に前売り買ってたのに、なかなか落ち着かなくて行ってなかったんだ。
チケットは手帳に挟んだままだし、行こう行こう!!

外はひどく暑いけど、日傘をさして美術館へ到着。
すると、 ??? なんだこの行列!?
見ると、今日は何か特別な催しがあるみたい。こんな行列並べそうもないよ…。

ついてないな。
どうしよう…。
とりあえず、どこか涼しいところで一休みしたい。

体中につめこまれた爆弾が、爆発しないようにゆっくりと一歩一歩、もと来た道を引き返す。
西洋美術館が目に入った。少し涼ませてもらおう。
ミュージアムショップの前に、座れる場所があったかも。

座っていても落ち着かない。なんだよ、これ…。
スマホで友達にあちこちメールして、
楽しそうに行き交う人を眺めては、気を紛らす。
2時間くらい経ったかな。硬い椅子でおしりも痛いな。
そろそろ帰ろうか。いつまでもウロウロしててもしょうがない。

夕方、ウチへ着くともう既に4時近く。
しばらくして、かばんの中から病理結果の資料を取り出す。
手術前の資料と見比べたり、言葉の意味をもう一度調べなおしたり。

すると…、
あ、ダメだ。見ていられない。胸がくるしい。さわさわ、さわさわ。
そのうち、座っていることも出来なくなってきた。
部屋の中をワケもなく歩き回る。
どんどん、
じぶんがどこかへ行ってしまう、連れて行かれるような感覚。

部屋中のものを引っくり返して大暴れしたいような衝動に駆られる。
ベランダに出て、大声を上げて叫びたい。
でも、そんなことしたら、
そのままどこかに突き抜けて、発狂して死んじゃう! こわいよ!
必死で自分を抑える。死なないように。

大丈夫、大丈夫。
落ち着いて、落ち着いて…。

でも、一向に落ち着く気配はない。

ようやく気づいた。
パニック発作だ、これ。
ずっと以前、離婚直後に行った美容院でシャンプー台に寝ていたときに襲われたことがある。
あの時も、なんだかわからない不安感が怖かった。
その後も、軽いパニック発作はちょいちょいと起こしていたけど、
いつの間にか気にならなくなっていた。

でも今回は、あの時みたいにおとなしくない。もう強烈。

病院に電話してみようか。これから診てもらえるかな。
精神腫瘍科って、あったよな。たしか。
こういうのって、精神腫瘍科だよな。
まずは乳腺外科につないでもらうのかな。
どうすりゃいいんだ。頭が回らないよ。

予約受付は夕方の5時まで。まだ今なら間に合う。とりあえず電話する?
でも、ここからどうやって行くのかな。行けるかな。
電車乗れない。タクシー?
あー、もう爆発しちゃうよーー! どうしよう、どうしよう。

妹に連絡してみようかな。
でも、仕事中は携帯はかばんにしまっているって言ってたから、気づかないだろうな。
どうしよう。
もう5時になる。うろうろ、うろうろ。

!!!
!!!

診察券を握り締めたまま、5時が過ぎた。
予約時間、終わっちゃった。

だんだん外が暗くなって来た。
このまま夜になったら、きっと死ぬ。まちがいなく。

妹に、「これから行く」ってメールして、
適当に荷物を持って出かけることにした。
メールは仕事が終わらないと見ないだろうから、返事はない。
そんなことわかってる。
でも、悪いけど、助けて!

地下鉄に乗るのは怖いけど、なんとか自分を騙しながら目的地を目指す。
どうかまだ、爆発しないで!


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